希望の条件で不動産売却を成功させるための秘訣
何事も「備えあれば患(うれ)いなし」。それは不動産売却も同じです。
理想の条件で売却を成功させるには、売却について基本を押さえておくことが肝心です。
ここでは、売却の基礎知識から始まり、売却を成功させるための心構え、売却時の費用、不動産会社を選ぶポイントに的を絞って解説していきます。
なお、ここで触れられていないことで、ご不明な点などございましたら、足利市・佐野市で不動産売却・資産活用・相続対策を手がける両毛資産総研コンサルタントまでお気軽におたずねください。
売却の基礎知識
事前に確認しておくべき情報
相場価格
たとえばネットである商品を買おうとする際、どなたでも複数のショップをまわって価格をチェックするでしょう。相場を知れば、妥当な価格がどのラインかを把握できて好都合だからです。不動産売却も例外ではありません。
同じエリアにある、似たような間取りの物件がどの程度の価格帯に収まっているのかをあらかじめ知っておけば、不動産会社から提示された査定額が相場からして妥当かどうかが判断できます。
なお、不動産相場は、国土交通省が提供している地価調査データを閲覧することで知ることができます。実際の価格は物件の状態や周辺の環境要素などで微妙に変わってきますが、相場を知っていればある程度の目安になります。
売却物件の情報整理
不動産会社に査定を依頼する場合はもちろんですが、売却を円滑に進めるためにも、これから売ろうとしている物件に関する情報をあらかじめ整理しておくとよいでしょう。たとえば、下記のような項目は重要なのでもれがないように注意しておきたいところです。
所在地 | =住所と考えて差し支えありません。 |
---|---|
物件の種別 | 一戸建・マンション・更地・駐車場など |
現況 | 居住中・賃貸中・空き家など |
面積 | ● 戸建の場合: 土地面積/建物面積 ● マンションの場合: 専有面積 |
築年数 | はっきりしない場合はおおよその年数 |
名義 | 不動産の所有権者 |
売却予定時期 | いつまでに売却したいという目標時期 |
売却の種類
仲介売却
不動産会社が仲介役となって買主との間で売買契約を成立させることを「仲介売却」と呼びます。時間をかけてでも、物件をなるべく高く売りたいという場合にはこの手段を用います。ただし、購入希望者が現れるまで半年、1年と時間を要することがあります。
買取
転勤や離婚など事情があって、すぐにでも自宅を手放したい、売却して現金化したいといった場合は、不動産会社に直接買い取ってもらう「不動産売却」を選択します。これなら、購入希望者を待たずに済むため、条件さえ折り合えば数日のうちに現金化が可能。ただし、仲介売却と比べ、買取価格は総じて安くなるのが一般的です。
任意売却
住宅ローンを滞納し続けるとやがて自宅は「競売」にかけられてしまいます。一般的に競売の落札価格は総じて市場価格より低くなりがちで、その上、そこで返済しきれない住宅ローンはそのまま残る最悪の事態に陥ります。任意売却とは、競売にかけられる前に、すばやく市場価格で不動産を売却する方法で、これを行うには当然債務者の同意が必要になります。住宅ローン返済不能に陥ったご相談者に代わって、その道の専門家が売却や抵当権の解除などについて金融機関などと交渉する高度な売却手法です。
売却時の成功する心構え
前向きな売却理由を伝えよう
中古物件とはいえ、高額な買い物です。購入希望者は購入に対し慎重になっていることを忘れてはいけません。だから、相手からなぜ自宅を手放すことになったのかたずねられても「家が狭いから」「住み心地が悪いから」と正直に答えてはいけません。
そこは「家族が増えて手狭になったから」「生活スタイルが変わったから」と前向きな言葉に変換して伝えるべきです。そうすれば、「何か不都合があったのでは?」と詮索されることもなく、物件について好印象を与えることが可能です。
購入希望者は物件売買を成功させるパートナーであることを忘れない
お客様は神様です──
とは言わないまでも、やはり物件を購入してくれる買主に対しては感謝の気持ちや誠意を忘れないことが、売買を成立させるカギになります。間違っても、「売ってあげる」といった上から目線での対応はしないように。
むしろ、交渉を重ねるたびに、互いの気心が知れて仲良くなるようになれば、必ず理想的な取引になるはずです。
売却物件のアピールポイントを確認しよう
どんな物事にもよい面、悪い面があります。たとえば不便で魅力がないロケーションに思えても、見方を変えれば自然環境や景観に恵まれていると捉えることもできます。
不動産を売却する際は、こうした視点の転換が重要。買主の立場なら、どんなところに魅力を感じるのか想像力を働かせながら、アピールポイントを考えたいところです。
売却時の費用
不動産売却で、見落とせないのが諸費用です。基本的には、この諸費用の総額を売却金額から差し引いたものが手元に残るということになるからです。
契約 | 印紙税 | 売買契約書に貼付する収入印紙の代金。取引額によって印紙代は変わってきます。 |
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仲介 | 不動産仲介手数料 | 売買が成約に至った場合に、不動産会社に支払う手数料です。 |
登記 | 抵当権抹消に伴う登録免許税・報酬 | 抵当権抹消などにかかる登記費用です。なお、司法書士に依頼しますので、その分の報酬と登録免許税という税金がかかります。 |
表示登記に伴う登録免許税・報酬 | 建物に未登記があった場合の表示登記費用です。この表示登記を土地家屋調査士に依頼しますので、その分の報酬が発生します。 | |
確定測量 | 土地を取引する際、境界線を明確にする必要があります。境界杭がなかったり、そもそも測量したことがない場合は、測量が必要になります。その場合、家屋調査士に依頼します。 | |
税金 | 譲渡所得税 | 建物や土地を売却して利益(売却益)を得た場合に課される税です。 |
不動産会社を選ぶポイント
売却の要望や希望をしっかりヒアリングする会社
誠実で信頼に足る不動産会社はつねに相談者の立場や事情、要望に配慮して、最善の提案をしてくれるもの。反対に、ことあるごとに手前勝手な都合を押し付けてきたり、強引に事を進めようとしたりする業者は、何かあれば必ず責任逃れに走ります。こうした不誠実な不動産会社とは契約してはいけません。
販売活動に積極的で実績が高い会社
実績のある会社は何より信用が置けます。そして実績のある会社ほど、販売活動に積極的で、折り込みチラシやポスティングといった旧来の広告媒体だけでなくネット媒体や業界間のコネクションを駆使して、戦略的に購入希望者を募るもの。早期売却を目指すことが自社の利益と顧客の満足に直結すると考えているからです。
専門用語や流れについてていねいに説明する会社
不動産取引の場面では、難しい専門用語がよく使われます。とくに契約に際しての重要説明ではその傾向が顕著ですが、誠実で顧客想いの不動産会社なら、なるべくわかりやすい言葉で伝えたり、要所要所で注釈してくれたりと配慮してくれるもの。逆に、こうした大事なところで売主を置き去りにするような業者は避けたほうがよいでしょう。